特集「ふるさと」を救え!/週刊ダイヤモンド


週刊 ダイヤモンド 2009年 10/3号 [雑誌]

週刊 ダイヤモンド 2009年 10/3号 [雑誌]

ふるさと納税はふるさとを救う?!

制度導入前から議論を呼んだ「ふるさと納税」。
全国47都道府県と1797の市区町村の地方自治体へ寄付をすると、実際に住んでいる自治体へ納めるべき所得税と住民税の控除が受けられるという制度だ。
2008年5月から制度が始まったが、その後自治体により明暗がわかれたと特集記事なっている。
ページ半分以上のカラー写真で雄大桜島と市街地が押し出され、ふるさと納税の成功例としてトップページに紹介されているのが鹿児島だ。
鹿児島県では、全ての手続きが、インターネット上で可能。支払いもクレジットカードで決済が出来る。
いまや国民的漫画スラムダンクの作者である井上雄彦氏(鹿児島出身)も、実は本制度を活用していたりする。

鹿児島県、件数でトップ、金額で4位

2008年度、鹿児島県は故郷納税として795件、6,347万800円の寄付金を集めた(受付ベース。県内の市町村分も含む)。
これは県税収入の0.04%に過ぎないが、それでも件数と金額は全国トップクラスの成績。
今年度も7月末までよいペースで進んでいる。
週刊ダイヤモンド 2009/10/03 p90

制度開始後、各自治体は本制度の説明と地元のPRに力をいれ、少しでも多くと奔走したが、鹿児島県のように数千万単位で集められた県は少ない。
10位の神奈川県で52件の1,500万円、東国原知事率いる宮崎県でも36件の800万円、九州の雄福岡県(33位)はなんと10件の20万円だ。
こうみると、795件の6,000万円の圧倒的な凄みがわかるかもしれない。


さらに金額では4位だが、これには理由があるという。
1位の栃木県(約2億2千万円)では、同県出身の大塚商会会長が個人で寄付した2億円が、2位の大阪府(1億6千万円)でも橋本都知事ファンによる個人献金1億円、3位の岡山県(約1億円)でも同じく個人献金が億単位で寄付されていることが大きい。
一方、4位の鹿児島県では、こうした特殊要因がなく、件数をコツコツと地道に重ねた結果、大口寄付なしでの4位を獲得できたようだ。
記事では、日本有数の人材輩出県であること、郷土愛が強い県民性であること、寄付金の使い道をきちんとメニュー化していたこと、と分析している。

与論町ふるさと納税の情報

■ 税の使い道
サンゴ礁と共生する環境の保全に関する事業
ヨロンマラソン大会の運営に関する事業
与論十五夜踊りの保存に関する事業
離島の振興に関する事業

http://www.furusatotax.com/lgu_465356.php

県人会が最も盛んな鹿児島はじめ九州勢

そのほか、県人会のくだりでも最も最初に「関東鹿児島県人会連合」を紹介。
首都圏に約230もの加盟組織が存在し、加盟総数5万人という規模感が他を圧倒しているのがその理由のようだ。
また、青年部の盛んな県人会として、熊本県人会青年部ヒゴモンズクラブ(4,000人)も登場する。
個人的によくお世話になっている鹿児島青年クラブら九州7県合同で行われる「クラブQ」についても言及されており、九州全般の県人会の活発さ改めてわかる。


最後に、週刊ダイヤモンドが紹介する県民性はこうだ。

鹿児島県 剛健で誠実で開明

剛健で頑固、気性の激しさで知られる薩摩隼人
痩せた土地で貧しさに耐えて生きるなかで、その気質を身につけたと思われる。
外国と広く交易した歴史から、開明的で新しいもの好きという面も持っている。
男は男らしく、女は女らしく。
動く前に講釈を垂れず、黙って立派な振る舞いをせよと教育される伝統がある。
周りの人間を冷静に観察し、正直で信頼できる人間とそうでない人間を見分ける。

県人からすると、「県民性とかいちいち議を言わんで、はよせんか!」といったところだろうか。
鹿児島好きで有名な司馬遼太郎の著作では「薩摩では議論はもってのほかであり、口数が多いのは男の美学に反すると小さい頃から教育される」というようなくだりがあったが、文字数が多いのはどうでしょうか司馬先生。


鹿児島県 ふるさと納税
http://www.pref.kagoshima.jp/hurusatonouzei/index.html