イイ経済学、ダメな経済学 ― エコノミストぶった斬り!
経済学徒大集合。
田中先生による、経済論壇ぶった斬り茶話会。
たしかに金額は高い。しかし、その価値は十分に有るだろう。
アカデミックな切り口からの正しい批判と対案は当然として、小気味よいユーモアを交えた表現力も魅力だ。
特に注目したいのは、第二部の「世界同時不況の経済学 ― バーナンキは失敗したのか:アメリカ経済論壇展望 ―」。
第二部ではアメリカを中心とした経済論壇で、正統的な経済学(新古典派経済学とニューケインジアン)に対する懐疑と批判を中心とした、マクロ経済学論争が起きていることを紹介します。ここで今日の最先端のマクロ経済学の話題をフォローし、後半の日本の経済政策論争の考察に役立てたいと思います。
バーナンキの背理法でドンブリ3杯は余裕だったあの頃を想い出して行こう。
もちろん、名著エコノミシュランで魅せた真骨頂「御用学者メッタ斬り」は欠かせない。
取り上げる主な方々は以下の通り。とはいえ、全員が御用学者というわけではない。
小林慶一郎、金子勝、野口悠紀雄、榊原英資、水野和夫、池尾和人、リチャード・ク―、小野善康 、松原隆一郎、岩井克人、副島隆彦、浜矩子、小幡績、神田秀樹、増田悦佐、吉川洋、竹中平蔵、佐伯啓思、東谷暁、岩田規久男、原田泰、飯田泰之、若田部昌澄、伊藤元重、森永卓郎、浜田宏一、野口旭、竹森俊平、宮川努、勝間和代、嶋中雄二、高橋洋一、池田信夫、濱口桂一郎、武者陵司、高橋進、西部邁ら。
個人的には、吉川洋先生、岩田規久男先生、原田泰先生、飯田泰之先生、若田部昌澄先生、伊藤元重先生、野口旭先生あたりは、学部、大学院でお世話になった顔ぶれなのでお手柔らかにお願いしたいところ。田中先生のお仲間もいらっしゃるかと思いますケド笑。
マスメディア露出も多い竹森俊平先生、東谷暁先生は、雑誌への寄稿文やビジネスマン向け書籍などで楽しませていただいた。
とくに04年あたりでの「創造的破壊ブーム(小泉・竹中金融大臣コンビ)」批判は、もっと声を荒げて欲しかった想い出がある。
あとの先生?方々は、是非存分に斬っていただきたく。
併せて以下のすばらしい記事も、経済学に親しみのない方に是非理解していただきたい濃い内容となっている。
メディアよ、いいかげん「ダメな経済学」を捨てよ!
就活と政策、トンデモ・エコノミスト糾弾。今経済学者がすべきミクロ・マクロ政策とは田中:政策を理解する知識が、まずメディアの側にもないんです。
そもそも、経済学の教育というものが専門教育として成立していない。もちろん経済だけでなく、人文系、社会科学系、すべて専門教育が日本では機能していない。
その端的な例は、大学院へ行ったらますます就職が厳しくなるっていうことと裏返しなわけですね。大学院を出ても、普通の民間企業はまず就職に影響しません。考慮してくれるところでも、せいぜい寄り道した程度の給料にしかならないから。
http://diamond.jp/series/collabo/10002/?page=5
わかる。泣いた。痛い。
- 作者: 岩田規久男
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