ROBOTS(TAKUYA ex.JUDYANDMARY)ライヴレビュー 下北沢CLUB251

3連夜ライヴレビューのラストは、僕のだいすきなROBOTSです。
念のためROBOTSとは、TAKUYA(ex.JUDY AND MARY,Gu)のソロバンドで、現ベースに人時(ex.黒夢)がいたりするが、元々呑むために結成されたバンド(本人談)。かつてレコーディングには、ブランキージェットシティのDr.中村達也氏ほかを招いたりするなどしており、JUDY AND MARYに比べるとロック寄りの音を出します。


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金曜日、X JAPAN@東京ドーム
 X JAPAN復活ライヴレビュー YOSHIKI大遅刻!
土曜日、髭(HiGE)@Zepp Tokyo
 髭(HiGE)Chaos in Appleツアーファイナルレビュー
日曜日、ROBOTS@下北沢 CLUB251
 ROBOTS(TAKUYA ex.JUDYANDMARY)ライヴレビュー 下北沢CLUB251


ドンドンと、そして確実にハコが小さくなっております。
しかも1日目と3日目の規模感は、加藤鷹と30歳童貞ほどの差が見て取れます。が、「ギターを持ったその瞬間から、誰もがロックスター」という言葉があるように(ないかも)、"アレ"とおなじでデカさは十分条件だが必要条件ではないのです。


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と、下ネタと数学Aを織り交ぜたくなるほど、この三日間は興味深かった。


人気・規模ともに未だトップに君臨するX JAPANを見、
人気において現時点で接線の傾きが最も高い髭(HiGE)を、将来を感じさせる規模感で見、
そしてラスト。かつては人気・規模も東京ドームの実績があったが、その意味では栄枯盛衰、酸いも甘いも進行中ミュージシャンを見る、というグレートすぎる結末。


しかも、今回、ROBOTSの対バンがなんと杉本恭一さんであったからまたオドロキだ。行ってみてから知った。
こちらも念のため、杉本恭一さんは現存する最古参スカバンドLÄ-PPISCH(1986年〜)のギタリストだが、LÄ-PPISCHといえば、ごく最近上田現さんが、ガンで逝去されたことで久々にメディアの話題となったことが記憶に新しい。


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想いが強すぎて前置きが冗長になりがちな、ROBOTSの件。
ひとことで豪腕に言ってしまえば、TAKUYAのコンポーザー資質は、ホントにデザインが良いということに尽きます。


仮に音楽をひとつの製品としてみた場合、匠が最新の「技術力」を以って製品作り、作ったら商品として拡販する「営業力」というのが、乱暴ながらも2大要素としてあると思う。
特に昨今の我が国では、消費財の間でも特にデザインが重要視されてきており、例えばケータイに代表されるようにプロダクトデザイン隆盛の時代です。


TKAUYAはこのデザイン能力が天才的に長けておる、というのが僕の端的な見解であって、想いが強くならざるを得ない中二病の原因でもあります。


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技術力であれば、本blogでも何度も取り上げておりますが、僕がだいすきなHR/HMの速弾きギタリストには敵わないでしょう。
営業力では、もうレコード会社とファンの質とそのクチコミ力に拠るので、プレイヤーにとっては神のみぞ知るというところでしょう。


じゃあ、曲で言ったときのデザイン力とは何だ?!ってことなんですが、さっきのケータイの例で考えると、メロディがポップだったり、スタイリッシュだったり、イマハヤリだったり、と目触り・耳触り・肌触りが良いというのはあくまでも「所与のモノ」として、加えて

  1. 「なにコレwwwww」
  2. その発想はなかったわ
  3. 「(´;ω;`)ブワッ」


という展開のサジ加減ではないだろうかと夢想する。


仮にそうだとすれば、その辺りの界隈で"奇才あらわる"、というのがTAKUYAの真骨頂だ。


うむ、分かり辛い。確かに分かり辛い。
でも、多分そうだ。自分の中では完結しているんだが、もどかしい。
誰か同調していただけると、泣きながら小躍りします。
機材でヌケる!って感覚がわかる人とか、募集。


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すごいロックが今にも産まれそうな香り漂う、こんな詩はいかが。
杜甫はそんなつもりで書いたワケじゃないだろうけど、かなりロック!

春望 杜甫

國 破れて  山河 在り,
城 春にして  草木 深し。
時に 感じては  花にも 涙を 濺(そそ)ぎ,
別れを 恨んでは  鳥にも 心を驚かす。
烽火  三月(さんげつ)に 連なり,
家書  萬金に 抵(あ)たる。
白頭  掻けば 更に 短く,
渾(すべ)て 簪(しん)に 勝(た)へざらんと 欲す。


国家(唐の国都当時は長安)は崩壊してしまったが、山や河は変わらず、
城内(長安)では春が訪れ草木が青く茂っている。
時世(戦乱の時期)の悲しみを感じては花を見ても涙がこぼれおち、
家族との別れをうらめしく思っては鳥の鳴き声にすら心を痛ませる。
三ヶ月※が経ってものろし火(安禄山の乱による戦火)は消えることはなく
家族からの手紙は万金にも値する。
(心が痛んで)白い頭を掻けば掻くほど抜け落ち、
まったくかんざしをさすのもたえかねそうだ。


桜が満開な下北沢より春の風をお届けしました。


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