ゲリラ豪雨で啓かれた 自由が丘発 ご一行の行き先は、晴れ。


今日は久々に晴れた。

IMG_0008

と思ったら、また夜は豪雨です。


金曜の夜はかなり参った。


定時ダッシュして、優雅な飲み会を自由が丘で愉しんでいたら、10時過ぎに女将さんがささやくわけです。


「お客様・・・・大丈夫でしょうか?」


え?何が?と思い、チラリと外に一瞥くれると、なんとそこは水のまち 自由が丘。
ロータリーが美しい湖となって眼前に広がっています。


モチの論で、東横線などずっとまえに落雷でご臨終だと。
駅前ロータリーのTAXI乗り場は、浮浪者の炊き出しか人気ラーメン店かってくらいの長々蛇の列、列、さらに1列。
いまから(11時過ぎ)並んでも確実に朝だろうってなくらい並んでました。


結局、僕は紆余曲折を経て、バスで謎の土地を彷徨っていたのですが、道路が水没してバスが動けないわけです。
大都会でウルルン。しかも全く家に近づいていない。


車内は、「なんで進めないんだバカ!」と流麗な標準語でキレだす初老の男性(美しすぎる標準語のせいか、全然スゴみがない)と、テンパった車内アナウンスが全く聞き取れず、おどおどした表情の東欧美女32歳(推定)。
その東欧美女を横から、まさに邪な表情で慰める40代男性(160cm)。
酔いも覚めやらぬアツアツ20代前半の服飾専門学校生風カップルが、外のアドベンチャーをキャッキャと楽しんでいる。


そして、中でも際立って一般ピーポーの僕、の6名様ご一行のバス。
午前2時ぐらい。


IMG_0007


初老が運転手に「早く家に連れてけ!」とゴネる。
運転手が涙目で「お客様・・そういわれましても、この先の道が水没してまして....」と弱弱しく応える。
邪な男が逐次、東欧美女に通訳(らしき耳打ち)をする。
東欧美女、なぜかカタコトで身の上話をしだす!
カップルが雷雨のようなキッスをする。


そして、中でも際立って一般ピーポーの僕はipodを取り出す。


その後僕らカオスご一行は、バス営業所に連れて行かれ、バスを降りた。
待合室に通されたカオスご一行。
はじめて皆が、顔を向き合わせる。しかし、気恥ずかしいカオスご一行。
それぞれの立ち居地は、示し合わせたかのようになんとなく理解しているカオスご一行。
カップルがねっとりとした豪雨キッスを続ける。


僕らは小さなバンに乗るよう促される。
こはちゃんと指示に従うカオスご一行。
カップルはそれでも離れない。愛ゆえに。


僕らをなんとひとりひとりタクシーしてくれるという小粋なバス会社。
僕らは、この冒険以来、最も接近している「あいのり」状態。
カオスなあいのり。
このあと、豪雨の中どこかの通りで立ち尽くしているハズの、まだ見ぬ仲間を拾うのだろうか、という期待と不安が車内を包む。
真夜中のラジオは渋滞情報を抑揚の無い声で伝え、カップルは僕の横で、指と指を絡めて遊んでいる。


ひとりひとり、行き先を元バスの運転手こと現バンの運転手に告げる。
僕の家が一番近かったため、誰よりも僕が最初にその冒険を降りた。
決して、東欧美女への告白が失敗したワケぢゃない。


僕の頬にひと筋の雫が流れたのは、きっと雨のせいだ。


IMG_0001


ってのは、本当の話だけど、どうでもよくて、頼むから休日に豪雨ばっかりってのはどうなってんだあ!