『芸術脳』 芸術は、苦悩か、快楽か、爆発か
1ヶ月ぐらい前に読んだ本が、床に放ってあったので、奥のほうに片付ける前にログを残してみる。
この本は、フリーペーパー『dictionary』に掲載されていた、茂木健一郎氏と10人のクリエイターとの対話集で、この10人というのがエライ豪華なわけ。dictionaryとこの10人ってだけで買いでしょ、とある意味不用意に購入したものだ。
佐藤雅彦、内藤礼、小野塚秋良、いとうせいこう、松任谷由実、ヒロ杉山、リトル・ブリテン、菊地成孔、天野祐吉、リリー・フランキーと、茂木氏の対話。
- 作者: 茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2007/08/01
- メディア: 単行本
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dictionaryの熱狂的なファンである僕ですら、この内容には全力で脱力した。
ポイントは、茂木氏とゲストとの不協和音にある気がする。一見噛み合っているように見えなくないが、どうしても噛み合ってるようには見えない、というか聞こえない。
ゲストはその道のプロでしかも地球外惑星出身の方々なので、ゴーイングマイウェイなトークを展開するのは当然といえば当然なのだが、茂木氏はそれを徹頭徹尾ヨイショする話の展開。ゲストが何を話しても、「それはおもしろい!脳の構造からいうと云々・・・」が延々と続くこのスパイラルは、きっとイージューライダーのオマージュであると心に戒めないと、途中でこのゲームを降りたくなる。傍から見ても特に目から刺身が落ちるわけでもない自らの薀蓄により、一人でオーガズムに達してくエセ脳科学者の様式美を、遠くから俯瞰してニヤニヤしたい方には必見の一冊であることは間違いない。
わかってはいたが、改めてTVに出てる学者にまともな人はほとんどいないねと実感.....
僕は、本だけは安いと思って、思ったときに逐一購入する癖があるため、部屋の中で積読状態のものが多くなってしまうわけなんだけど、こういう本は地獄の業火に焼かれるのもいいかもしれない、と久しぶりに脳がプスプスと異常に活性化し稀有なシナプス体験だったなあ、と1ヵ月後のイマになって思い返した。
あ、そ・・・そういうことか!愛してるよ茂木さーん!
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